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第13回自然の教室in 青葉山報告

文責:大野 誠吾 (2009年1月 7日) カテゴリ:体験型自然科学の教室(12)

n-1 グランプリ気球の部

秋は1 年の中でも大気の流れが穏やかな季節として知られている。空が高く見えるというのも穏やかさを反映している。日本各地ではそれにあわせ熱気球のイベントが開かれ普段見上げられることのない大空もこの日ばかりは鮮やかに彩られ人々の関心を寄せる。 2008 年10 月26 日、仙台の青葉山でも熱気球の大会「n-1 グランプリ気球の部」が開催された。今回空を見上げるだけでなく大会に参加し自ら気球を作成することで秋の澄んだ空気を体感することができたのでそれを報告する。 本大会では作成が比較的容易なブースター型と本来の熱気球に近い燃料搭載型に部門がわかれ開催された。

ブースター型

ブースター型ではブースターと呼ばれるガスバーナーの上に気球を配置し、ブースターにより熱せられ軽くなった気体を気球に蓄積し飛ばす。このとき飛ばすのは気球の部分のみで熱源は飛ばさない。競技は飛ばした気球部分の滞空時間で競われる。
作成する気球は滞空時間を長くするためにできるだけ軽くい必要がある。しかしただの袋だけでは熱気の入り口が貧弱なため風などの煽りを受けて変形し入り口が融解する危険性がある。長時間の滞空には気球にある程度の剛性が必要である。横風に煽られたとき気球が変形し内部の熱気が流出する可能性があるからだ。

以上のことを考えてまず以下のようなブースター型気球を作成した。

  • 気球用ゴミ袋 90 l  1 枚
  • 補強材 竹ひご 4 本
  • 粘着テープ


ブースター型における熱気の蓄積

  • 1. 竹ひご2 本をレープで連結し長いフレーム用棒を作成する。
  • 2. 棒の端と端をテープでつなぎ円形のフレームを作成する。4 本の竹ひごから2 つの県警フレームを作成することができる。
  • 3. 円形フレームを袋の口に1つと口から1/4 程度のところにひとつ固定し気球ver.1 とした。

この気球ver.1 をもってブースター部門に参加したところ気球は浮上しなかった。このことは90 l のゴミ袋がかなりの質量があったためだと考えられる。実際ゴミ袋だけ(細工無し)でブースター部門に参加したがほとんど浮上しなかったことから90 l のゴミ袋の選択が誤っていたことになる。

次にそれよりも単位体積あたりの質量の軽い袋からなるver.2 を作成した。 利用したものは以下の通り。

  • 気球用ゴミ袋 45 l  2 枚
  • 補強材 竹ひご 1 本
  • 粘着テープ

以上を用意した。


ブースター型気球ver.2 の作成プロセス

  • 1. ゴミ袋ひとつあたりにかかる重みを軽くするために気球用ゴミ袋を2つ連結する。1 枚のゴミ袋の底を切り抜きもう一枚の入り口の中に数cm入れる。(この方法はnatural science 研究所のメンバーである田村氏の方法を参考にした。)
  • 2. 2 つのゴミ袋を10 箇所程度テープで止め接続する。
  • 3. 竹ひごは袋の口に沿うようにテープで貼り付ける。

このようにして作成したブースター型気球ver.2 でブースター部門に参加した。結果、滞空時間35 秒を記録しブースター部門に参加した機体でもっとも長い滞空時間を記録した。気球の落下の主な原因は風が吹いたことにより気球が傾いたことと同時に起こった気球の変形があった。これらにより内部の熱気が気球から逃げ、気球の浮力の低下により落下を始めた。落下を開始するまで十分は高度まで上昇したことで長い滞空時間が得られた。発射時期を風の弱いタイミングを選んだことだけでなく機体の軽量化を重視しできるだけ高い高度まで到達したことが長い滞空時間につながった。


ブースター部門トップ!!

燃料搭載型

燃料搭載型として作成する気球はより本来の熱気球に近い。つまり、ブースター型では地上に固定していた熱源を気球本体に搭載する。熱源の分の質量が増加しその分飛びにくくなるが飛んだ場合は熱源があるため内部の熱気がなくなっても新しく供給され燃料の続く限りより長い滞空が可能となる。作成に当たっては基本はブースター型のときの滞空時間の長さから袋を2段重ねにしたモデルを採用し、そこに熱源を取り付けることにした。
材料として

  • 気球用ゴミ袋 45 l  2 枚
  • 補強材 竹ひご 2 本
  • 粘着テープ
  • バーナー固定用針金 50 cm
  • バーナー用ティッシュペーパー 3 枚
  • 燃料用アルコール 適量

を用意した。


燃料搭載型作成手順

まず、ブースター型と同様にして2 段重ねにした袋を作成する。竹ひごのフレームは炎が袋にあたらないように立体的に作成した。2 本の竹ひごをつなげ袋の内径よりも大きな輪を作成する。それを曲げて立体的な構造を作成し、袋の内側に入るように曲げ貼り付ける。袋のフレームより下にある部分は切り取り、炎が引火しないようにする。
バーナーはティッシュペーパーをできるだけ小さくたたみ、それに針金を強く巻きつけ作成する。1 本の針金の3 箇所にそれをとりつけたものを先にとりつけた竹ひごフレームのそこの部分に取り付ける。燃料用アルコールをティッシュペーパーにしみこませれば完成。
浮上には袋の上部を持ちながら燃料に点火ししばらくそのまま持っている。だんだんと熱気が袋に蓄積され浮力があがってくるので手を離すと気球が浮き上がる。当初バーナーを1つのみで実験を行ったが浮力が足りずに浮上しなかったが田村氏の助言によりバーナーを3 つ取り付けて実験したところ勢い良く浮き上がりった。残念ながら滞空時間は計測できなかった。


浮かび上がった熱気球。滞空時間は計測不能。

まとめ

小型熱気球を作成した。いずれのタイプの気球も軽く作ることが至上命題であったが、もうひとつ安定な浮遊にたいしては多少の外乱があっても機体が壊れないように強固に作成することが重要であった。その点、竹ひごは軽量性、剛性ともに兼ね備えており、小型気球の作成には非常に便利な素材であった。



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