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Report

平成19年度経済産業省「理科実験教室プロジェクト」
実施報告

プログラム開発の背景

地域コーディネータ「ハリウコミュニケーションズ」サイエンスコーディネータ「NPO法人 natural science」の二本柱で、理科実験教育プログラムの開発を行った。

子どもの理科離れという現状において、「そもそも、理科実験とは何なのか?」という問題がある。理科実験とは、自然の現象の背景にある法則を探求する過程そのものであるので、基礎科学に従事し日々、研究を行っている科学者が理科実験プログラムの開発・実施を行う。

一方、企業が行う「理科実験教室」における現状として、先端技術の凄さを見せる科学実験や自社製品の紹介等に終始することがあり、子どもたちは理科の授業と実験との関係性を実感できず、一過性のイベントに終わってしまうなど、両者のミスマッチが生じていることがあげられる。

さらに、教育活動に興味があったとしても、プログラム開発のための余裕がない企業が多数であるのが現状である。そこで、本「理科実験教室プロジェクト」においては、科学者がプログラム開発を行い、企業に提案し、企業講師がプログラム実施するまでのコーディネートも行った。

科学は、自然の現象の背景にある規則性・法則を発見することである。そして法則の発見は、科学の歴史からの必然のステップでありながらも、今までの自然に対する「見方」を転換するものである。よって本理科教育プログラムでは、科学者が自然の現象に対する「見方」を提供することから始まる。人間が自然現象を「見通し」として、発想するということである。

次に、自然の現象の観察を行い、実験と仮説の検証というプロセスを経て、大多数が承認する自然の特性を記述した規則性・法則性の提案となる。ここで、大多数が承認するとは、仮説を観察、実験によって、実証するとき、その結果が、一過性ではないことが条件となる。そこで同じ条件下では、同じ実験結果がえられるという条件が必要となり、これを再現性と呼ぶ。この再現性が、自然の規則性・法則性を大多数が承認すること、つまり科学の「客観性」となる。本理科教育プログラムにおいては、科学者がもつ自然現象に対する「見通し」から、仮説・検証のプロセスを経て、科学の言葉で実験結果を表現し、科学の「客観性」を提示するまでの一連の流れを実現した。

現行の小学校の「学習指導要領」においては、「自然に親しみ、見通しをもって実験・観察などを行い、問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに自然の事物・現象についての科学的な見方や考え方を養う」とあるが、本理科実験プログラムは「見通し」を科学者が提供し、仮説・検証実験における試行錯誤を問題解決の能力を養う場として位置づけた。

さらに「学習指導要領」においては、「子どもたちが自ら見通しをもって、自ら実験、観察を計画、実行し、自ら見方や考え方を構築する態度と技能を養う」ことを理科教育の目標としている。「自ら」という言葉が繰り返し、使わせているが、子どもたちに、最初から主体性・自発性をもって、自然の現象に向かい合うことを要求するのには、困難があった。また、この理科の目標を達成できる前提に、理科教育に携わる教師が、自然に対する見方や考え方を持ち、科学の歴史に対して、時には批判的な見方ができることが必要とされる。本教育プログラムの最後の目的は、現役の科学者が教育現場に立つことで、このような自然に対する見方、主体的・自発的に自然現象を探求する態度を教育現場に広げで行くことである。

プログラムの構成

理学的(科学者が行う)と工学的(技術者が行う)の両方のアプローチで、科学的・工学的思考力を育てる教育プログラムを目指す。

・科学者がつくるポイント(理学的アプローチ)

自然現象に対して「そもそも、なんでだろう」と問いかけ、「実験・観察し、考察をまとめる」というサイエンスの一連の営みをプログラムに組み込む。このプロセスにより断片的な知識の積み上ではない、知識体系の構築ができる場を提供する。

身近な自然現象を、「地球環境、エネルギー、アルゴリズム、生命」という広い概念からとらえ、興味を喚起させるイベントを導入する。次に自然現象を再現する実験を行う。実験結果を定量化した後は、各教科で学んだ知識を用いて考察する。このプロセスの中で科学的思考力がつちかわれる。

・技術者がつくるポイント(工学的アプローチ)

自然科学の知識を「どうしたら利用できるか」と考え、「実験・検証し、製品をつくる」というエンジニアリングの一連の営みをプログラムに組み込む。このプロセスにより断片的な知識の積み上げではない、知識体系の構築ができる場を提供する。

製品がどのような仕組みをしているか、ブラックボックスを開け、興味を喚起させる。原理を利用した技術を学び、知識を組み立てながら「ものづくり」をおこなう。さらに社会ではどのように技術が応用されているかを考える。このプロセスの中で工学的思考力がつちかわれる。

授業の構成

本年度は、次のようなステップでの実際の授業を行った。

【ステップ1(1時間目)】科学者の「科学的アプローチ」

「そもそも、なんでだろう?」という問いかけで興味を喚起する。仮説を立て、検証のための実験を行う。実験とはだれもがわかる共通の言葉で、「問いかけ」に答える行為である。

「仮説・検証」のプロセスを繰り返すことが「探求」になる。そして最後に「自然の原理」が得られる。子どもたちは、知的好奇心から始まる探求が、仮説・検証という試行錯誤の結果、科学の言葉で形になるまでのプロセスを体験し、科学的な思考力をつちかう。

【ステップ2(2時間目)】技術者(企業講師)の「工学的アプローチ」

「では、どのように自然の原理を利用できるか?」と問いかけ、実社会で活用するために、製品開発の目的を設定する。実験と検証を繰り返し、製品を作る。子どもたちは、日常的に使われている製品の中身が、どのような技術的な問題点を解決する中で生まれたものなのかを知ることを通じて、社会で働く技術者の創意・工夫にふれ、職業観を養う。

授業プログラムリスト



NPO法人 natural science

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