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第8回授業報告(2008.07.25)

文責:林 叔克 (2008年7月26日) カテゴリ:基礎講座(19)

授業の概要

今回の授業で、ミサイル発射からの弾道を計算することができた。「発射角度と水平方向の飛距離の関係」を計算し、発射角度が45度のときに、もっとも水平方向の飛距離がのびることがわかった。そこで、より現実にもとづいたシミュレーションとして、空気抵抗がある場合を考える。空気抵抗は、物体の速さに比例し大きくなる力である。例えばパラシュートを思い浮かべれば、落下直後から加速していくが、空気抵抗により落下速度はあるところで一定になる。


授業の様子

 それぞれが、自然の現象の要素を見つけ出し、定式化からプログラミングできるようになってきたので、シミュレーションに関しては、それぞれのペースで行っていくことができる。授業では、理論的な側面から、自然現象にせまる講義をおこなっている。シミュレーションのアルゴリズムを構築するさいには、差分形式で、定式化するが、この差分方程式を漸化式とみて、解いていく。
 漸化式を用いれば、微分・積分を用いることなく、直感的に式の意味を考え計算することができる。


空気抵抗がある場合の物体の運動

空気抵抗がある場合に関して、運動方程式をたて、差分方程式で表現する。この式を変形すれば、シミュレーションで使える式になる。ここでは、この差分方程式から、解析的にnステップ後の速度をもとめる。単に差分方程式を漸化式として解けばよいのであるが、さらに離散的な時間ステップから、連続的な時間に対する速度変化の式を導く。
 差分方程式に極限操作を施すことで、連続時間における式が得られることを考えれば、差分方程式の方がより情報量が多いといえる。運動方程式は、微分形式で書かれているが、これは極限操作が成立することを最初から考えてのことである。あるステップと次にステップをつなぐ方程式を導き、漸化式をとくという方法は、一般的であり、運動量保存則もこの方法で解くことができる。 次に極限操作を行うことにより、連続的な時間における方程式を導いた。連続的な時間をつくるために、nステップを無限大にすると同時に、時間間隔を無限小にもってくるが、この過程で自然対数が必然的に出てくるのが面白いところである。
 ニュートンの運動方程式は、微分によって記述されているので、最初から極限の操作を行い、それが法則として正しいものであることを仮定していることがわかる。


今後の予定

今まではあるステップと次のステップを式を導き、シミュレーションをおこなってきたが、今後の方向性として、漸化式を解くことで、理論的にも物体の運動の時間経過を表す式を求める。
 ニュートンの運動法的式ありき、から出発するのではなく、「差分方程式から極限操作を用いて、連続的な方程式を導く」という過程の中で、直感的な現象の理解を目指す。



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