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温度自動制御装置のヒータの開発

文責:佐瀬 一弥 (2009年11月22日) カテゴリ:LabVIEW TIPS集(47)

本装置の目的はおいしい温泉たまごをつくることである。 温泉たまごを作るには水の温度を70℃まで 温めるためのヒータが必要である。 以下にヒータの開発例を挙げる。

ニクロム線を使ったヒーター

いままでの課題

ニクロム線を用いた場合、次のような課題があった。
・ニクロム線が電気分解するのを防ぐためニクロム線を直接水につけてはならない
・ニクロム線は空気に接する部分で熱により断線することがあるためニクロム線を空気にさらしてはならない

開発したヒータ

ニクロム線が空気と触れる部分をなくすため、ニクロム線を石膏に埋め込み、銅電極にはんだ付けする。


ニクロム線を用いたヒータ

結果、考察

発熱量を発揮したものの、電力印加1秒後に試験官が破裂。 これは、試験管内で熱された水分が水蒸気となり膨張し、 試験管が圧力に耐えられなくなり破壊したものと考えられる。 破壊を防ぐために、ニクロム線を長くして抵抗値を高くし、 消費電力を抑えることで、発熱量を小さくすること、 あるいは、ニクロム線を固定する材料の見直しが必要である。

電気たまご方式によるヒータ

水に直接電流を流すことで水を熱する方法を 試した。水の抵抗値は食塩濃度により調整できる。 また、ヒータの製作に手間がかからない。

開発したヒータ


アルミ電極を用いたヒータ

結果、考察

非常にすみやかに水を温めることができた。 70℃に保つように手動でスイッチの切り替えを 行った結果を図に示す。


手動スイッチ切り替えによる温度制御

ビニル袋にたまごをいれて15分70度で温めた結果温泉卵を作ることができた。

竹炭電極を用いたヒータ

黒鉛を電極とした場合で試してみることにした。 竹炭を電極としてアルミ電極の場合と同様の実験系で電力を印加した。食塩は多めに加えた。 しかし、水を温めることはできなかった。 主な原因は竹炭の抵抗値と思われる。 竹炭は抵抗値が不均一であり、 測定位置によって抵抗値は1cm間隔で測定して1Ω~数MΩの 値をとる。また、乾燥時と水分を含んだ状態でも 抵抗値が変化する。 電極間の抵抗値を測定すると非常に大きな抵抗値を示し、 十分な電流を流すことができなかったと思われる。



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