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【第2回実験報告】ボルボックスー判断のモデル生物

文責:田村 京子 (2008年1月 4日) カテゴリ:複合刺激に対するボルボックスの応答(7)

正の走光性と負の走電性を合成して進むボルボックスもいるが、人が、好きなものが2つあるとどちらにするか迷ってしまうように、ボルボックスも迷ったりするのでしょうか。


研究の目的

ボルボックスがいろいろな方向にランダムに動いているところに刺激を与え、その刺激に応じてある方向に直進的に進むことを「ボルボックスが判断した」とする。刺激を与えたときに、ランダムな動きでもなく、判断したと思われる動きでもない個体が見つかった。このような個体の分布を定量化した。


実験装置

3cm×3cmのアクリルのシャーレに3mlのボルボックスの入った溶液をいれる。
両端の溝にアルミ板を差込み、電場をかける。一方向からLEDで光を当てる。


実験条件

(1)電場のみの単一刺激を与える
  強度は以下のとおり
  電場  2(V/30mm) 4(V/30mm) 6(V/30mm) 8(V/30mm)

(2)電場と光の複合刺激を与える
  強度は以下のとおり
  電場  2(V/30mm) 4(V/30mm) 6(V/30mm) 8(V/30mm)
  光    0(V) 4(V) 5(V) (LEDにかけた電圧)

(3)室内の蛍光灯を消し、暗室内で行う。

(4)単一刺激のみの場合は、数時間光に慣れさせてから行う。

(5)溶液採取の際に加わる衝撃を軽減するため、ピペットの先を5mmほどカットする。


実験の解析

ボルボックスは自転しつつらせんを描きながら進むが、自転軸と進行方向が一致しないもの、
また重心の軌跡が重なった場合が不自然な動きと定義した。

実験結果

電場の強さ、光の強度ごとに不自然な動きをするボルボックスの割合を調べた結果、以下のグラフのようになった。

3回の実験中、2回目と3回目でボルボックスがほとんど動かなくなった。
3回目以降の実験でもほとんど動いていなかった。

考察

電場のみの単一刺激の場合、刺激が大きくなるにつれて不自然な動きをするボルボックスの割合が高くなってきている。与える刺激が大きくなると、よりはっきりと自分の進む方向を判断できるからだろうか。
複合刺激の場合、光が5Vのとき電場の刺激が大きくなるにつれて不自然な動きをするボルボックスの割合が増えていった。これは光と電場の刺激があってどちらに進むか迷っているのだろうか。

実験の1回目以降のボルボックスの動きが悪くなったことで考えられることは、インキュベータから出した後の時間の経過による温度と、実験ごとのシャーレの洗浄に問題があるのではないか。

今後の課題

・光4Vのときの実験のやり直し
・光のみの単一刺激でも実験する
・実験時の温度の変化がないようにする
・シャーレの洗浄方法を改善する



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