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Seed Dispersal Strategy of Plants 植物の種子散布戦略(第13回「山の教室」)

文責:林 叔克 (2009年1月 9日) カテゴリ:体験型自然科学の教室(10)

abstract:
In the process of evolution, many plans have adapted to their environment.This means, only those plants which could have adapted to, and succeded thier gene to next generation have survived.It appears that plants may have a certain "intelligence to know physics"
The purpose of this study is to reveal the physics of seed dispersal startegy of plants, focusing on a seed maple tree. The seed of interest has wing which acts as airscrew. It starts to rotates as it falls due to gravity. We investigate the correlation of rotation speed and velocity of falling.

研究の背景

進化の過程の中で、植物は環境に適応し、子孫を増やすことで、生き延びてきた。その際に重要なのは、いかに広い領域に種子を散布するかという戦略である。
 種子散布戦略は、種子や果実に綿毛や翼を付けて、風を利用している「風散布型」、動物の体に付着したり、鳥などの食べられることによって種子が運ばれる「動物散布型」、水に浮いて運ばれる「水散布型」などがある。多くの植物はあたかも、「知的な戦略」をもって、これらの方法を編み出したかのようにみえる。本研究では植物が種子散布戦略のいてもつ「知的な戦略」の物理法則を明らかにする。

カエデの種子

風散布型。地域にもよるが、9月頃対になった翼果をつける。11月頃には果実が熟し、対になっていたものが2つに割れて落下する。
この時、翼が空気抵抗を受けて回転しながら落下する。落下時間をできるだけ長くし、水平方向に吹く風にのることで、より遠くまで種子を散布するというのが、カエデの種子の戦略である。


種子のモデル

翼を角度や、重心の位置を変化させた時の落下速度を測定するために、簡単な模型を作製し、実験を行。

模型の材料

トレーシングペーパ(TochimanWT-各種)、針金、ハサミ、セロテープ

模型の作り方

  • 1.翼の型をトレーシングペーパにとり、型を切り抜く
  • 2.翼の形を見ながら、トレーシングペーパの翼を湾曲させる
  • 3.5cmの針金を使って、重心位置を種子の位置にもってくるように丸める
  • 4.針金の残りの部分で翼の骨格をつくる
  • 5.針金とトレーシングペーパの型をセロテープで接着する

種子の運動

カエデの種子を落下させると、数cm落下した後に、回転が始まる。肉眼で観察していても、回転が始まった瞬間に落下速度が小さくなる様子がわかる。これは以下のステップに分けて理解できる

  • 1.種子のところに重心があると考えられる
  • 2.翼が空気抵抗を受けることで、回転のモーメントが生まれる
  • 3.翼の回転数がだんだん大きくなる
  • 4.遠心力によって、翼が水平方向に傾く
  • 5.鉛直方向により大きく空気抵抗を受けて、落下速度が小さくなる

プロペラの役割を果たす翼が受ける空気抵抗によって、いかに回転数をあげ、落下速度を小さくするかが、カエデの種子が持つ戦略である。




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