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【海外論文要約】Prediction of Shrinkage Pore Volume Fraction Using a Dimensionless Niyama Criterion

文責:八重樫 和之 (2009年5月27日) カテゴリ:鋳造工学(2)

材料化学総合学科で行う、基板研修では最新の海外論文を読み10分間のプレゼンを行っている。 これは、私が所属する安斎研究室で読んだ論文の概要をまとめた。

  • 題目:Prediction of Shrinkage Pore Volume Fraction Using a Dimensionless Niyama Criterion
  • 著者名:KENT.D CARLSON and CHRISTOPH BECKERMANN
  • 誌名,巻,年,頁:METALLURGICAL AND MATERIALS TRANSACTIONS A,VOLUME 40A, JANUARY 2009 163-175

1.背景および目的

鋳造における重要な欠陥の一つに引け巣が挙げられる。中でも内引け巣は凝固収縮により空隙が生じる現象で、材料の破壊の起点とため、引け巣発生の防止は鋳造における重要な課題の一つである。現在、有効な引け巣予測の手法のひとつとして新山パラメータという評価基準が用いられている。しかし、新山パラメータは引け巣の発生位置の予測はできるが、引け巣の容積の予測ができないという欠点がある。そこで、本研究では従来の新山パラメータを基に引け巣容積の予測するための無次元新山パラメータのモデルを提案する。そして実験結果と比較を行い本モデルの実用性を検討する。

2.モデル開発および検証

 まず、充填層における液体の透過性を示すDarcyの法則,デンドライトの表面積を表すKarman-Cozeny,及び合金の粘性、凝固収縮率などの物性値を考慮し、引け巣の分布を表す無次元新山パラメータNy*を次式のように定義した。

yaegashi_zassi_090527_eq1.gif

ただし、G:温度勾配[℃/m],λ2:デンドライト間隔[m],⊿Pcr:圧力損失[Pa],μ:動粘性係数[m Pa sec],β:凝固収縮率[%],⊿Tf:凝固温度範囲[℃],T:冷却速度[℃/sec],I(gl,cr):臨界液相率の積分値である。

 そしてWCB鋼板鋳物の凝固解析を行い、実験結果と比較を行った。用いた物性値を表1および2に示す。  

yaegashi_zassi_090527_table1.gif

3.結果

図1に結果を示す。従来の新山パラメータによる結果(図1(b))は実験結果(図1(a))と比べて引け巣の位置を定性的に予測できる程度であった。これに対して、今回提案した無次元新山パラメータによる結果(図1(c))は引け巣の分布についても良い結果が得られた。本研究では従来の新山パラメータに合金の物性値を考慮し圧力損失から引け巣の分布予測モデルを考案した。そしてWCB鋼板を用いて比較した結果、引け巣発生位置だけでなく引け巣容積率を計算することも可能となった。

yaegashi_zassi_090527_1.gif



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