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SPP授業の振り返り

文責:松永 大樹 (2010年1月30日) カテゴリ:松永 大樹(1)

先日木曜日に開いたSPP授業で達成できたことと課題をまとめる。

===講義の前提===

問題意識 / 前回の佐瀬くんの講義を踏まえ「作業に落ちない」実験の構成
最低限の達成目標 / 考えて作って測ってみる楽しさを感じてもらう
授業内容 / 自分で構成したセンサ系を使って磁場の測定
授業目標 / 測定を通した場の概念の理解

===総括===

佐瀬くんが前回の講義で「作業に落ちた」点を反省していたことを踏まえ、より考えてもらう実験になったと思う。回路図を読んで、考えて、手を動かして、自分の手で測ることを体験して頂くことが一つのメインテーマにあった。ホール素子のセンサに磁石を近づけてみて測定結果に驚きの声を多数聞けたので、その点は満足して頂けないかと個人的には考える。具体的に考えて作業を経ることで測るまでのプロセスと思考回路を擬似的に体験して頂いたことで、このように測れたときの喜びが大きかったのではないか。
本当であれば磁力線を書いてセンシングを通して物理現象を捉えるところまでが最終目標であり、佐瀬くんの本当に伝えたい部分であったと思う。ベクトルや場の概念なども十分には説明できたとは言い難い部分もある。しかしベースとなる部分に積み重ねることができたと感じたので、細かな微調整を繰り返してより伝わる授業を展開していきたい。

===反省点===

その上で細かな修正として反省点と考えられる解決方法を以下に列挙する。

問題 / ホール素子の自作センサの不良品多数
→ 講義前にセンサを実際に使用してみて不具合がないかを点検する
→ 皮膜をとった部分のはんだ付けの荒さが目立ち団子状になっていたり、逆にささくれていたり。工夫が必要

問題 / 実験手順のアナウンスがうまく聞こえていなかった
原因 / 生徒さんは実験に夢中になって前に注意を払えない
→ 実験の要所だけは話を聞いてもらわないと実験が成り立たないので、注意喚起のあと生徒さんの集中を削がないように短めに手順を説明する
→ あるいは、生徒さんの熱をもっと引き出せるように自ら試したいと思って実行出来るような実験の組み立てを工夫する

問題 / 実験の手順の質問がほとんどで内容に関する質問はほとんどない
原因1 / 「作業に落とさない」ようにするためにテキストに詳細な手順は書かなかった
原因2 / 実験の進行に差があるため詳しい説明を全て前でするのは難しい
→ 実験手順の先にある物理現象の面白さまで到達させてあげるために構成を考える。難しい工程は省く等
→ 問題提起を基に自主性を引き出せるようなテキストの作成
→ TAの役割の重要性

===個人的な感想===

私個人としてそもそも楽しければいいというスタンスがあり、楽しければ興味を持っていろいろ知りたくなるということは自分でも身をもって経験している。その点においてセンサ作りと実験を楽しんで頂けたので、そこそこ満足して頂けたのかなと個人的には感じていた。 その一方で、佐瀬くんと議論していて「測って楽しい」で終わらせては勿体無いとは痛感している。
作って測る
解析する
まとめる
を通して測定の一周は完結するものであり、現状ではまだ1つ目の楽しみしか伝えることができなかったことになる。反省点にも書いたように物理現象やセンサの仕組みについての質問が出なかったのはまさしくそのような状態であり、目標としていたもう1ステップ上の面白さまで到達できなかった証拠である。如何にして物理現象を身近なものとして捉えてもらえるか、楽しんでもらえるか考えていかなくてはいけない。



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