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かがくしゃへの手紙で見えてきた、カイゼン点。

文責:大草 芳江 (2007年11月19日) カテゴリ:大草 芳江(23)

「第9回 体験型自然科学の教室」開催報告ページ制作にあたって、
今回からは、各かがくしゃが作成する報告ページ
(「Members」に掲載するもの)の内容に対しても踏み込んで、
私が第三者の視点から気づいた点を、提案していくことにしました。

そこで実際にかがくしゃとやりとりをしていく中で、面白いことがありました。

かがくしゃが出してきたデータに対して自分が覚えた違和感を文章にしていくと、
その違和感を核に、もやもやとしていた、でもなんだか心の奥の方で気になっていたことが、
徐々に顕在化・構造化されていき、
「そうそう、自分はこんなことを感じていた、って言いたかったんだ」
と対象化できる位まで、形になってきたのです。

対象にきちんとリンクをかける必然性を自分の中でつくっていくことの大切さを
改めて感じながら、今回の反省メモがてら、
実際にかがくしゃへ送ったメールをそのまま掲載しようと思います。


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大野さん


夜分遅くまで、お疲れ様です。
イラレデータ、どうもありがとうございました。

データを確認させて頂きましたが、
「なぜ、焚き火はあたたかいのか?」という子どもとも共有しやすいテーマ設定で、
また内容につきましても、シンプルで読みやすい文だと思いました。

ただ、文章の構図として、「行ったこととわかったこと」というように、
「方法」と「結果」がまとまって、一緒になっていたところが気になりました。

前回までのように、「方法」と「結果」をわけなかったことには
何か理由等があるのでしょうか?

私の受けた印象としましては、「方法」と「結果」を一緒にまとめてしまうと、
「どうなったか」という結果の方に目が行ってしまい、
(実際に、じっくりと読み直すまでは、「方法」が書いてあることに気づきませんでした)
大野さんが、どのような切り口で「なぜ、焚き火はあたたかいのか?」へアプローチしたのか、
という科学的な視点が、逆に、薄まってしまったように感じたので、なんだかもったいない気がしました。

「体験型自然科学の教室」のコンセプトとして、
「こうだから、こうなる」という『起承転結』を、そのまま知識(形式知)として子どもたちに伝えることよりも、
「なんでだろう?」という素朴な疑問(『起』)を「こうだからじゃないかな(『承』)」と、 いろいろな角度から、自分で試してみて、それを体で感じること(「暗黙知」の習得)
を重視しているという点がありますが、

その「いろいろな角度」というのが、
つまりは、かがくしゃそれぞれの「方法」の部分だと思うので、
そこは、きっちりと「方法」として独立させて、
イラストや写真を使いながら表現した方が、コンセプトを体現できると思います。


あと、このメールを書きながら気づいた点で、
これは、自分の今回の反省点へとつながっていくところなのですが、
やはりあらかじめ、次回予定実験の「ねらいと方法」については、
各かがくしゃの皆さんから、文章化したものをいただくほうがよいかもしれません。

というのは、カメラマンとしての私の反省にもなるのですが、
今回の教室で、本当は撮る必要性があったであろう写真を、
撮り損ねてしまっていた、ということがけっこうありました。

(大野さんの実験についても、今回頂いたデータを見てはじめて、
こういう写真も必要だった、ああいう写真も必要だった、と気づきました。
すみません・・・)

今回は、natural festival全体の写真撮影のため、
natural scienceに意識を向ける時間が少なかった、という物理的な原因もありますが
逆にそれで露呈したのは、そもそも、どのようなねらいで実験の場を設定し、
どのような切り口でアプローチするのか、という設計図を、
全体で共有できていなかった、という点です。

もちろん耳では聞いていた「ねらいと方法」ですが、漠然とした認識のままでいると、
やはり今回のように、撮りこぼしはどこかで必ず起こってしまうと思います。

また、「ねらいと方法」という設計図が共有できていないと、
これも当然のことながら、natural scienceが期待している、
こどもたちの「想定外」の行動や、こども本来の多様な切り口というものも、
設計図をもっていない私(かがくしゃ本人以外)からは、
(そもそも「想定」できないため)位置づけることができないんだなぁと思いました。

また、その設計図を共有できると、全体の会議の場で、
さらに、いろいろなアイディアが出てくるかなぁとも思いました。

例えば今回の実験プランだったら、
焚き火の周りに、「黒い遮蔽物」、「アクリル板」、「厚さ0.5mmのプラスチック版」、
「薄いプラスチックフィルム」、「アルミ板」、「おおきなはっぱ」などをぐるりと置いておいて、
「一番熱くなくなると思うやつはどれかな?試してみよう!」みたいな感じで、
子どもたちが、自分で仮説をたてて、いろいろと試せるような設定も、できたかなぁと思いました。

(もしかすると、大野さんはそれをやっていたかもしれませんが、
もしそうだとすると、逆にその撮るべきその瞬間を、カメラマンは
全く撮ろうと思っていなかった、というところに問題があります)

また前提として、このように設計図を全体として共有できるようなベースが、
natural scienceの中でないと、外の団体とのコラボレーションと言うのも、
まずできないように(今思えば、natural festival以前の問題として)思います。

(natural festivalにまかせる、と言う以前に、
そもそもnatural scienceとして、という意識が低かった、という点が、
今回の根っこにある反省点です)


ということで、次回の教室では、natural scienceとしてきちんと独立した形で、
●(全体として)教室開催一ヶ月前の会議で、かがくしゃそれぞれの「ねらいと方法」を文章化して提示してもらう
●(カメラマンとして)教室開催の前に、どのような写真が必要かをあらかじめ打ち合わせしておく
という点を、改善できればと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

以上となります。

ちょっと長くなってしまいましたが、
というわけで、「方法」の件、どうぞよろしくお願いします。



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