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マクスウェル-ボルツマン速度分布

文責:遠藤 理平 (2017年4月 1日) カテゴリ:計算物理学(165)

粒子同士の相互作用の無い理想気体を構成する粒子の速度分布は、マクスウェル-ボルツマン速度分布に従います。1個の粒子の速度の大きさがvからv+dvまでとなる確率を f(v)dvと表した場合、f(v)

f(v) = 4\pi v^2  \left(\frac{m}{2\pi k_BT}\right)^{\frac{3}{2}} e^{-\frac{mv^2}{2k_BT}}

という確率密度関数で表されます。 k_Bはボルツマン定数( 1.380658\times10^{-23}[{\rm J/K}])、mは質量[kg]、Tは絶対温度[K]です。

図1はT=300[{\rm K}]、質量の異なる粒子 m=4m_n\sim40m_nm_nは中性子の質量 1.6749286\times10^{-27}[{\rm kg}] )に対するマクスウェル-ボルツマン速度分布です。横軸は速度[m/s]、縦軸はf(v)です。質量が大きいほど速度分布のピークが低速に移りかつピークが鋭くなっていきます。

図1:速度分布の質量依存性

図2は m=12m_nT=100[K]\sim1000[K]に対するマクスウェル-ボルツマン速度分布です。横軸は速度[m/s]、縦軸はf(v)です。温度が大きいほど速度分布のピークが高速に移りかつピークが鈍くなっていきます。

図2:速度分布の温度依存性

マクスウェル-ボルツマン速度分布は質量や温度に依存しますが、速度を無次元化することで系のパラメータに依存しない速度分布を得ることができます。具体的には無次元化速度を

\bar{v} \equiv \sqrt{\frac{2k_BT}{ m }} v

と定義すると、無次元化したマクスウェル-ボルツマン速度分布は

f( \bar{v} )d\bar{v} = \frac{4}{\sqrt{\pi}}\, \bar{v}^2   e^{-\bar{v}^2}\,d\bar{v}

となります。図3は無次元化したマクスウェル-ボルツマン速度分布です。 \var{v}=1、で最大値 f(1)=0.83となります。

図3:無次元化したマクスウェル-ボルツマン速度分布


参考図書

three.jsによるHTML5グラフィックス上 【改定版】
three.jsによるHTML5グラフィックス下 【改定版】
three.jsによるHTML5 3Dグラフィックス 【新機能と応用】



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