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流れのかがく(第9回「山の教室」)

文責:永関 浩樹 (2007年12月 3日) カテゴリ:体験型自然科学の教室(6)

<実験の意図>

川を毎日渡ったり、その近くを通ったりするという人は多いのではないかと思います。しかし、川をじっくりと観察する機会は意外と少ないものです。そこで今回は、川の流れている様子を可視化しようと思い、川に葉などを流してその流れる様子を観察することにしました。

<当日の経過>


岸辺の、落ち葉が溜まっている場所は流れが淀んだ場所なのです。ゆっくりと流れる葉が元からあった葉に引っかかり、その後流れの力では外に出ることができないのでどんどん落ち葉が溜まっていく、という一連の流れが観察できました。

レンジャーさんと一緒に笹舟を作ってみんなで流しました。

1)最初笹舟を浮かべた川岸の近くは緩やかな流れのため、笹舟はゆっくりと流れています。2)岸から離れるにつれて次第に速度を上げます。3)川の中央に差しかかると順調に流れはじめ笹舟同士の間隔も開いていきます。4)更に流れが速い場所に達すると一気に速度が上がります。


こどもたちは、最初はゆっくりと眺めていました。しかし、笹舟が一気に加速するので、笹舟の行方を追う時かなり焦っていたようです。このことから、川には速く流れている場所と遅く流れている場所がある、ということを多くの参加者が実感できたようです。川では一般に、水量が同じならばどの場所でも一定時間に同じ体積の水が通過しています。そのため、浅い場所では流速が速くなり、深い場所では遅くなるのです。
また、川の中心の方が岸の近くよりも流れる速さが違うということもよく分かりました。


この動画は、橋の上から上流側の川の流れを撮ったものです。動画の左側が川の中心で、右側が川の縁です。川を流れている葉は自然の落ち葉ですが、これを見ると、川の流速が流れの中心ほど速い様子がよく分かります。

橋の上から同時に様々な大きさの葉を落としてみました。流した葉の大きさと葉の流れる速さの間にはあまり相関がないようです。このことは、川を十分に軽いものが流れるとき、その速さを決めるのはその物体の性質よりも川の流速であることを示していると考えられます。
橋の上から葉を流すのは、実験方法として、場所が選べないのが難点ですが、川の中央部と岸辺の違いについてよく知る上で良い場所だったと思います。

さて、その一方で、葉がうまく流れてくれないことも結構多く、ずっと同じ場所に浮かんでいたり、川の流れとは反対方向に流れてしまったりということも結構多くありました。この場合は写真のように棒で波を立てたりして動かそうと試みたのですが、このことは、川は微視的に見ると必ずしも一様に流れているわけではないということを示しています。

川は一見するとただ水が流れているだけのように見えますが、よく観察すると流れの様々な表情が見えてくるものです。しばしば人生は川の流れに喩えられますが、その理由を何となく感じた、という人ももしかしたらいたかも知れません。


<おまけ・川原で宝探し>


川原にはこのような、金色や銀色に光る粒を含む石がたくさん落ちていました。これらは特徴的な四角い形と表面に鉄さびが見られることから黄鉄鉱(硫化鉄)と思われます。普段身の回りで金色の石を見る機会が少ないこともあり、それを探して眺めることはこどもたちに予想以上に好評でした。



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