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【第2回実験報告】アリ ―コミュニケーションのモデル生物―

文責:結城 麻衣 (2007年12月21日) カテゴリ:少数の働きアリによる行動解析とモデル化(16)

1匹のアリの探索を観察して思ったこと

アリを1匹巣から30cm×30cmのアクリルの半球の中に入れて、その行動を観察してみたら、以下のことが見られた。
・常に動き回っている。
・歩くスピードはまちまち。
・3時間経過したあたりで、しばらく止まって、動き出すを何度か繰り返した。
 観察して思ったことは、とにかく歩くということが印象に残った。2匹のアリの行動から推測して、2時間ほど動き回り、それ以降は止まったり動いたりを繰り返すのではと考えていたが、実際3時間も歩き回っていた。このことから考えられるのは、フェロモンが充満するまで休まず探索を続けているのではないかということだ。以前林叔克さんが書いた、アリの研究の報告を見ていただけるとわかるが、2匹の場合1時間経過したあたりから時間がたつにつれ不活発になっているのがわかる。1匹の場合動きに変化があったのは約開始3時間後だから、2匹の場合はその半分、約1時間半後に一方が動いて、一方が休んでいるといった行動の変化が見られるのではと考えられる。


LabVIEW解析の目的

今のところ、まだLabVIEWの画像解析プログラムが完成していないので、他の方法で解析を行っている。だが、一度撮影した動画を倍速化し、1枚1枚の静止画に変換した後、座標を抽出といった方法を取っているので、非常に時間がかかる事と、動画の容量が膨大なことがデメリットとしてある。撮影しながらリアルタイムで座標を記録し軌跡を抽出できれば、大幅な時間削減が可能になる。そこで、画像解析に優れたLabVIEWを使用することにした。



LabVIEW解析の手順

ビデオカメラから映像を取り込み、リアルタイムで画像処理を行なう。ビデオからの電気信号をBNCケーブルによってキャプチャーボードに取り込む。 画像処理のソフトウェアーとしてLabVIEW Visionに用意されている関数を用い、LabVIEWによって、画像処理をすることでアリの軌跡を導出する。


RBGカラーとピクセル

画像の2値化の前にデジタルで画像を扱うことを説明する。 コンピュータの画面は画素(ピクセル)によって構成されている。 液晶画面を虫眼鏡で拡大すると赤と緑と青の3色の色に分解して見える。 これはRGBカラーという色の表現の仕方で、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三つの原色を混ぜて幅広い色を再現する方法である。

なぜ3つの色の混合で他の色も表現できるのだろうか? 視覚の生理的な側面に理由がある。人間は三種類の色覚受容体をもち、光刺激を三種類の錐体で受けとめ三次元の感覚情報として処理し、あらゆる光の色を三つの原色の混合比として捉えるからである。そもそも可視光線にはさまざまな波長の光がさまざまな割合で合成されているが、人間の錐体細胞はそれぞれある特定の波長の範囲に最大限反応するようになっている。ひとつは長波長(黄色付近)、ひとつは中波長(緑色付近)、もうひとつは短波長(紫色付近)である。これら三種類の錐体細胞からの刺激を大脳が組み合わせて、光の色が認識されているのである。3原色がRGBである必要性はないが、できるだけたくさんの色をつくれるように選ばれている。

さて、液晶画面におけるひとつひとつのピクセルではRGBのそれぞれの色が256階調で混合されている。256は2の8乗である。つまりR、G、Bのそれぞれの色は8ビットで光の強度が表現されていて、256階調の混合でさまざまな色が作り出されている。 例えばR、G、Bの光の強度をそれぞれ255にすると白ができる。


画像の2値化

画像の2値化をする為に、今回もLabVIEWを使って解析する。最終的にはビデオカメラから読み取ったデジタル動画像を取り込み解析していく予定だが、今回は初歩として「デジタル画像ファイルから色のデータを読み込む作業」を重視し、1枚の静止画のデジタル画像を2値化するプログラムを組みたいと思う。解析するデジタル画像はbmpファイル形式の画像を使用する。
デジタル画像データとは、bmpファイルはもちろん、JPEGやGIFなどがあり、ピクセルという色のついた点を規則正しく立て横に並べることで画像をデジタル上で再現する画像データのことである。デジタル画像データを拡大してみてみると、四角形がたくさん並んでいるのが見える。この四角形がピクセルである。

bmpファイル形式とは、白黒の画像からフルカラーまでの色数を指定できる画像ファイル形式ことである。JPGEやGIF、PNGなどの画像ファイル形式は画像データを圧縮して保存するタイプになる。上の画像を見てみると、通常のファイルサイズだと変わりないように見えるが、JPEGは一つのピクセルを見た時、その周りのピクセルデータと似たような色合いに変換し圧縮保存しているので容量が軽くなるが、拡大すると蟻の体がぼやっとしているのがわかる。それに変わりbmpファイルは無圧縮で画像を保存するので、劣化のない高度な画像を再現できるが、その分データ容量が膨大になる。画像解析をする際、JPGEなどの画像が圧縮変換されている為、細部までの画像情報が取れない恐れがあるので、データが圧縮されていないbmpファイルを使って画像解析を行いたいと思う。
2値化のプログラムの手順は、デジタル画像データのピクセルを1つピックアップし、RGBの色深度を計り、その値が黒に等しければ1、それ以外は0とし、その値をグラフに表示する。表示する際、1なら点を打つのでアリだけを描画するというプログラムを組む。ピクセルをピックアップするには、画像の横軸をX、縦軸をYとみたてて、Forループを二重に重ねることで、ピックアップすることが可能になる。

LabVIEWでbmpファイルを読み取り、データ化するには下の2つのアイコンを使用します。

右が「BMPファイルを読み込む」という動作をするアイコンになります。これはBMPファイルを読み取り、画像のサイズやファイルを表示するために必要なデータを作成します。左は「非平坦化ピックスマップ」というアイコンで、ピックスマップを1次元配列から2次元配列に直す作業をします。ここでやっていることを簡単にまとめると、bmpファイルを読み取り、画像サイズや色の情報などを一度解きほぐし、次に整頓してデータを送るといったことをしています。
以下が以上を踏まえて作成したLabVIEWのプログラムになる。

下の図が出力画面、右下が読み込んだbmpファイル画像になる。


今後の予定

・アリを2匹入れた時の観察。
・LabVIEWは2値化した際、画像は左上から読み込むのに対し、2値化後は左下から右上に向かって値を出力するので画像が反転してみていることになる。なので、画像と同じ向きで出力するように改善する。
・アリの重心の座標を計算するプログラムを書く。



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