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[2009.02.18]
大人も愉しむ1「LEDを光らせる回路を組もう」

文責:福島 愛 (2009年2月21日) カテゴリ:体験編(180)

私は普段は大学で生物系の研究生活に勤しんでいる身ではあるが、物理系には全くの素人である。
電池?回路?高校生の時に受験勉強として色々格闘した記憶はあるが、
物理の授業は問題を解くための時間であり、面白いとおもったことはほとんどなかった。
大学に入ってから、その時の経験が役に立ったと思ったことはほとんどない。
(もちろん、どんどん無くなっていく受験記憶に対して、記憶が残っていたらどんなにいいか・・・と思ったことはあるが)

今回は、見習いとして子どもたちに交じって参加したので、それをレポートする。

参加したきっかけ

昔勉強した記憶があるとか、問題が解けるとかではなく、
知識に基づいて動くものを自分で作ってみたいと思った。
すなわち、回路を自分でつくり、プログラムを組むことで
基はただの部品でしかなかったものが動くようになる。
まずはそんな技術を体得したかった。
そして、自分の中にその新しい価値観が根付いた時、どんな新しい世界が広がるかが 知りたかったのである。

いざ 参加!

小学生がロボットを作っている。小学生が出来るからと言って、私にできるのか?やってはみたいが、できなかったらどうしよう?
ぎこちない思いを抱きながら、部屋に入った。

ロボット講座は、第二回目だった。
一週早く参加した小さい"先輩"たちが復習を始める傍らで、同じ作業の説明を受ける。
私がまず体得しなければならない技術は「はんだごての使い方」だった。
はんだごて。触るのは初めてではないが、「初めてではない」というレベルである。
基盤をもらい、基盤の穴に「ハンダ」をはんだごてで熱し溶かしこんでいく。

基盤の穴はちょうど爪楊枝の穴ほどの大きさなのだが、
熱いからと怖がってては、ハンダはあまり解けず、穴が埋まらない。
またハンダを溶かしすぎると基盤の穴の大きさ以上のハンダが穴の上にのってしまいやり直しだ。

はんだごての扱いに少し慣れると
第一回目のテーマ 「LEDを光らせる回路を組もう」
にとりかかる。

まずは、電池・LED・抵抗がどのようにあれば電流が流れるのかを
見慣れた電気回路図で説明してもらう。
スイッチを入れたらLEDが点灯し、スイッチを切り替えたら消える、というものをつくるらしい。

ふむふむ。昔習ったぞ!
それくらいは、わかる!

まずは「スイッチなし」バージョンから。

鼻息荒く、いざやってみようと取りかかる。
すると、大きな疑問にぶち当たった。
「なぜ、抵抗がいるのか?」
電池とLEDがあればそれでいいのではないか?
小学生の時、電池と豆電球をもらった時、抵抗なんてもらったっけ?

隣に座っている"先輩"に聞いてみた。 「抵抗って、何でいるの?」
抵抗がないと、電池では電流が大きすぎてショートしてしまう、というような答をもらった。

ふぅん?それじゃぁ小さい電池を使ったらだめなの??と納得するようなしないような思いを胸に抱いて
とりあえず回路図にしめされた回路を、実際に組んでみることにした。
ai090219.jpg
登場人物は「電池」と「抵抗」と「LED」だけ。
書かれた回路図は理解できるし、また回路図もかける。
しかし、実際にこれらを組み合わせるとなると、そう簡単にいかないのだ。
「プラス側に抵抗をつないだから、抵抗の相方にLEDのプラスをつないで・・・」
呪文のようにホワイトボードに書かれた回路を「読み上げ」ながら作業をしないと
次に何をすべきかが分からなくなってしまう。
何度も何度も、回路を読み上げながら
漸く出来た回路に電池をつないでみる。
上手く光るだろうか??

保証人として"先輩"にも見てもらいながら、電池をつないでみた。
LEDが光るか!?
期待むなしく、光らない。
「あれ?」といって何度か試す私に
隣の"先輩"は見逃してなかった。
「さっき、一瞬ひかったよ?」
その一瞬すら見逃していたのだが、だったら何故もう点かないの????
佐瀬先生に基盤を見せて、聞いてみた。

「抵抗がきちんと分かれていないから、電流は抵抗を通らずにショートカットしてしまったんですよ。
その結果、一瞬だけLEDが光って、ショートしてしまったから、このLEDはもう使えませんよ」
なんと、抵抗が何故いるのか?という自分の中で解決していない疑問を解くためではないのだが、
抵抗が機能しない回路をつくり、やっぱりショートさせてしまったのだ。
(後日気になって古い教科書を開くと、オームの法則が載っていた。R=0であれば 電流は無限大になってしまうのだ。電池のパワー調節すればいいという話ではない。昔習ったような気もするが・・・)

抵抗から出ている金属が長く、邪魔になり、2本をねじっていたのが問題だったらしい。
これだと、ねじることで生まれた経路を電流が通ってしまい、
抵抗を設置した意味がない・・・

気を取り直して、やりなおし。
ハンダを溶かして、銅線でハンダをすいとり、抵抗を設置しなおす。
今度はLEDが確かに光った。
ほっと安堵。

「では、今度はスイッチをつけましょう!」

スイッチって、そこらへんの壁にあるし、身近な電気製品にもあるし
何気なく使っていたけれど、スイッチの構造なんて考えたことは一度もない。

いったいどうしたら、電気が流れたり流れなかったりするの???
佐瀬先生による説明は至って簡単。
スイッチは3本の金属からなり、スイッチを入れることによって、真中が右とくっついたり、左とくっついたりするらしい。
右とくっついた時に電気が流れる、左とくっついたら回路に穴ができる、という風にすればいいらしい。
話は簡単。それだけに、目からうろこだった。

今度は回路図を読み上げなくても、対応できた。その進歩が単純に嬉しい。
スイッチを構造を考えながらつけて、抵抗やLEDともつなげる。
電源につないで、スイッチの切り替えでLEDのON/OFFが切り替えれれば完了。
スイッチの構造を理解して、スイッチが機能する回路ができれば、第一回目は終わり。

初めてのものづくり講座参加。
trial&errorを繰り返しながら
自分が作ったものが、思うように動く楽しさを知った一日でした。



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