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大人も愉しむ6「電子掲示板を作ろう2」

文責:福島 愛 (2009年5月10日) カテゴリ:体験編(180)

私がこの教室に通えるのもあと少し。
今日はどこまで進めるかな?
休日ということもあり、予定をコントロールしやすいこの日は
ちょっと早めに教室へ向かった。

さぁやってみよう

前回、ノリにのって、マイコンソケットをつけたら、大きいサイズをつけすぎたこと、そして 端っこにつけすぎて、セラロックの付ける場所がなくなってしまったことが判明した。

今回は、このマイコンソケットを取り除くべく、はんだごてと銅線と格闘するところから始まった。
ところが、これがなかなかうまくいかない。
なぜならば、ソケットの足をハンダが立体的に取り囲んでいる。上から銅線をのせて熱しても、
熱が伝わらないのか全くハンダに変化がみられないのだ。
だから、基盤の穴に銅線をあてて、360度回転させ、一つ一つとっていかなくてはならない。
マイコンソケット一つ当たり12個の足があるから、これを24回繰り返すのである。


ai_DSCF0180.jpg

頼りになるのは、やっぱり"先輩"

となりの"先輩が"様子をみに、覗き込んできた。 「なにやってるの?電子掲示板?」 「そうなんだけどねー、これ間違っちゃって、一つづつ取っていかないといけないのよ。」 「手伝ってあげようか?今暇だから」

暇ってなんだ!?
とっさに状況が読めこめなかったが、私の返事を聞く前に
"先輩"は、私のはんだごてを手にとって、作業を開始している。
一瞬銅線をあてたが、すぐに自分の席に戻ってしまった。
うん?どうしたんだ?

「自分のんじゃないと、やりにくくってー」
自分の銅線をとりにいっていたのだ。
「これだと、上から抑えるだけで、すぐにハンダがとれるよ。」
と、見ている目の前で、一つ仕上げ、二つ仕上げ、どんどんハンダを吸い取っていく。

「あ、そうするといいんだ。なるほどねー。早いなぁ」
素直に感心するほかない。
あっという間に、どんどん作業がすすんでいく。
「ちょっと焦げちゃうけどね。」

焦げる、の前に、その方法は先ほど私がトライしたにもかかわらず
失敗に終わった方法と同じなのだ。
「これ(銅線)、何か違うの?」
「厚さが違うんだよ。こっちの方が分厚いから上手くいかないの。それにこれは誰かが一度出し過ぎてそれを巻いちゃってるから ねじれてるし。」

ふむふむ、なるほど。
銅線が分厚かったから熱が伝わらなかったのか。

「ありがとう。やり方分かったから、続きはやってみるわ」
というと
「これ、使っていいよ」
と自分の銅線を貸してくれた。

なんてありがたい。
ちょっと拝借して、基盤にある余計なハンダを取り除いていく。
借りた銅線を使うと、あっという間に終わってしまった。

使った部分を、切り取って返そうとすると
切れ味があまりよくない。
断面が<ぼそぼそ>になってしまった。

「これ、ありがとう。でも、ごめん。ぼそぼそになっちゃった。」と言って、
銅線を返すと
「いーのいーの。使う分には関係ないから。」
なんとも、悟った返事が返ってきた。

さぁLEDは光るかな?

予定外に時間をくってしまったので 大急ぎで作業開始だ。 ソケットを固定して、セラロックをつける。 ところがまた、つけてから気がついた。 ソケットの付ける場所が、見本と左右逆になってしまっているのだ。 これは、これから配線していくのに、非常にややこしいのではないか!? でも、もうやり直すのも面倒だしなぁ。 どれくらい面倒なのか、見本の配線をみながら、シミュレーションしていると 別の"先輩"が声をかけてきた。

「電子掲示板つくってるの?」
「そうなんよ。でも、場所まちがえちゃった。」
基盤を見せると"先輩"はすぐに口を開けた。
「大丈夫だよ。そのまま、できるから。ちょっと大変だけど、できるよ」
とだけ、私を励ますような表情で言うと、自分の席にもどってしまった。
自分のロボットと睨めっこしている。
私が困っているようだったから、来てくれたのだろうか。

けど、やっぱり不安は払拭しきれない。
なんせ、私は3D認知が大の苦手なのだ。
たまたまそばを通りかかった計ってみようさんに聞いてみた。
「あー見本のが一番簡単なんですけど、それで大丈夫ですよ」
「ソケットって上下あるんじゃなかったでした?」
「ありますけど。まぁちょっと複雑になるだけで、大丈夫です」

そろって二人に「大丈夫」と言われたら、やるしかないではないか。
気合いを入れて
トランジスタ、抵抗、LEDの設置に取りかかろうとした。
ら。。。
これがまた、複雑な配置になっているのだ。
ai_IMGP9449.jpg

見本の基盤だけでは理解が厳しく
配線の回路図を見せてもらいながら
頭を整理していた。

"先輩"といえでも、負けられません

「電子掲示板、つくってるの?」 真剣な趣でノートと睨めっこしている私に、声をかけてきた"先輩"がいた。 「うん、作ったことあるの?」 「夏休みにつくっちゃったよー」 なんと! そんな簡単に言わないでくれー!

必死になって頭を整理していると、
オルゴールを作っている"同期入学生"が近づいてきた。
「これ、なに??」
ノートの回路図を指差した。
「電子掲示板よ。今からつくるの。ややこしくてねー」
うなずきながら、しかめっ面して、ノートを見ている彼に
見本基盤をみせた。
「こんなんに、なるんだって」

「ぷっ」
彼にとっても、もう笑うしかなかったようだ。
噴き出すと、自分の席に戻ってしまった。
うんうん。その気持ち、よくわかるさ。
こんなん本当に自分で出来るのかなー??

でも、よくよく見ていると、巻き込んでいる数がおおいだけで
配置そのものは、単純なものの繰り返しのようだ。
ようするに、プラスはプラスでハンダでつなげていき、
マイナスはマイナスでつなげていく。
最初と最後を、抵抗やトランジスタにくっつければ
あとは同じことに繰り返しのようだ。

小学生が「初めてのものづくり」で出来たんだから
オルゴール課程修了者の私に出来ない筈がない!
といつもの発破をかけて取り掛かった。

「このはんだごて、熱い?」急に""大先輩"に話しかけられた。
「多分。コンセント入ってるやろ?」
「新聞やいてみたらわかるよ」
「焼き芋の匂いするから いやだよー」
「それがいいんだよ」
と、新聞紙を焼こうとする。
ちょっと焦げると喜んだ。

いやはや、マイコンがいくつも連動しているような
大きな車を作っていても、
やっぱり子どもだね。

なんて、一瞬優越感に浸ったが
そんな夢も、彼の手にある車をみると一瞬で敗れた。

一体、何の制御がそんなにいっぱいあるのか
やっぱり想像もつかない。
私は、ひとつのマイコンをプログラムするだけで必死なのだ。
今度、一度何をしようとしているのか、しっかり聞いてみよう。

ものづくりにチャレンジしてみて

どんどん「自分で出来る」可能性が見えてくるものづくり。 こんなドキドキ感、もっともっと昔に出会いたかったな。


とりあえず、今回は、トランジスタ、抵抗、LEDを半分ほど配置させて終了。
仕上げは次回のお楽しみ。



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