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カンボジアで科学実験工作教室 報告書 「電子部品を知ろう」

文責:イットワンシット (2012年10月 2日) カテゴリ:体験編(178)

【日時】2012年6月22日(8:00-11:00)
【場所】カンボジア タケオ州プレイカッバス市サムダチポン中学校

本講座は、カンボジアのサムダチポン中学校3年生を対象とし受講者は約50人の生徒でした。カンボジアでは長年内戦が続いていました。特にポルポット時代は知識人のほとんどが殺されました。平和に取り戻した現在のカンボジアは様々な分野の人材が必要としています。そのため、まだ発展途上にあるカンボジアの教育システムをよくすることが最も重要です。そこで科学実験工作教室を開いて科学の楽しさを伝えることによってカンボジアの教育に貢献したいと考えています。カンボジア人学生が、中学校の教科書の中で紹介される抵抗、コンデンサ、トランジスタなどの実物を見たことがありません。より科学に興味を持ち、想像能力が養えるため、第一歩目として、彼らに電子部品を実際に触れさせて、特徴や基本的な役割を知ることを本講座の目的としました。本講座は3時間の講座で、発振回路を作ることを目標としました。

講座の過程

1.電子部品の紹介

電子部品を知るために、実際の各部品を観察しました。そして、教科書にある部品名と一緒に覚えてもらいました。

2.LED回路の作成

電流の流れる方向と大きさについて実験するために、LED回路の回路図を書いて実際に部品を配線しました。

3.発振回路の作成

抵抗、コンデンサ、トランジスタの特徴・役割を理解するために、発振回路を作成しました。

活動内容

1.電子部品の紹介

 抵抗、コンデンサ、トランジスタ、スイッチ、LEDを実際に見て触れることで、電子部品を覚えてもらいました。中学校のカリキュラムでは、各部品の特徴や使い方はある程度紹介されるものの、実物を見る機会はありません。カンボジア人学生たちは、実際の電子部品に手を触れ、自分の目で確認することで、それまでに学んだ知識を使って回路を形にすることができます。
 ほぼ全員が、電子部品を初めて見たということでした。学生たちは実際にそれに手を触れると、とても興奮していました。すぐには全てを覚えることはできませんでしたが、興味を示していました。

2.LED回路の作成

 初めにLED 回路を作成し、LED の極性を活かして電流の流れる方向を特定しました。次に、抵抗の大きさを変えて、電流の大きさの変化について考察しました。
 実際にブレッドボード上でLED 回路を作るには、部品の記号や回路図などをかく必要がありました。しかし、回路図がかける生徒は少なかったようです。教科書の中でよく見る回路図であっても、学生にとっては回路図の印象がまだ薄いといえます。また、回路を配線するときには、最初は単純な回路でも感電や発熱を心配する生徒が多くいました。実験を繰り返すにつれて最後には生徒たちが正しくLED 回路を作ることができました。

3.発振回路の作成

 natural science のものづくり講座で設計された回路図に基づき、ブレッドボード上で発振回路を作成しました。発振回路で使う抵抗、コンデンサ、トランジスタの特徴・役割について説明しました。特に、抵抗とコンデンサによる時定数について繰り返して実験しました。この工作を通して、回路製作や使われている部品の役割について理解することができました。
 学生たちにとっては、ブレッドボードの使い方は難しいようでした。発振回路は複雑で、ブレッドボードのスペースを有効利用しなければならなかったため、回路製作時間は(失敗を含めて)非常に長かったです。難しい課題でしたが、50 人中5 人の人が成功しました。

まとめ

 本講座は3 時間で、無事に終了しました。部品を使って回路を作るのはカンボジア人学生にとってははじめての経験でしたが、全員積極的に参加し、実用的な知識を身につけることができました。また、教科書で理論や法則を理解した後に実例を示したことで、彼らの想像力を養うことができたと考えています。そして、彼らは本講座を通して、日本の科学技術に興味をもち、日本への留学のためにより努力していくことを決めたようでした。現地の先生方には、日本の教育システムについて熱心に聞かれました。これをきっかけにして、学生たちは科学部を立ち上げ、もらった回路図と部品を使って後輩たちに発信回路を教えることにしたようでした。

反省点

・全員に体験させることができませんでした。
原因:参加した生徒が多かったため。
解決:受講人数を減らして、講座を数回に増やす。



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