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【物理シミュレーションに挑戦!】古典力学
様々な力による物理シミュレーション4:レナード・ジョーンズ相互作用による運動

文責:遠藤 理平 (2016年9月29日) カテゴリ:仮想物理実験室(325)計算物理学(165)

本項は物理学における様々な系の物理現象を、解析的に扱うのではなく数値計算による物理シミュレーションを実行するために必要な計算アルゴリズムを示すことを目的とします。 様々な初期条件に対する物理シミュレーションを実現するために、最も汎用的な直交座標系を用います。
様々な力による物理シミュレーション1:弾性力による運動
様々な力による物理シミュレーション2:万有引力による運動
様々な力による物理シミュレーション3:クーロン力による運動
様々な力による物理シミュレーション4:レナード・ジョーンズ相互作用による運動
様々な力による物理シミュレーション5:引力+衝突力

レナード・ジョーンズ相互作用とは、2粒子の位置ベクトル \mathbf{R}_m, \mathbf{R}_nに対するポテンシャルエネルギーが

U_{n,m} = 4\epsilon\left[ \left( \frac{\sigma}{\mathbf{R}_n- \mathbf{R}_m}\right)^{12}-\left( \frac{\sigma}{\mathbf{R}_n- \mathbf{R}_m}\right)^{6}\right]

と与えられる2粒子間相互作用です。このレナード・ジョーンズポテンシャルの2粒子間の距離依存性をプロットしたのが下図です。

ポテンシャルエネルギーは r/\sigma<1の領域で急激に大きくなり、 一方 r/\sigma>3 ではほとんど0となります。このポテンシャルエネルギーを位置で微分して得られる2粒子間に働く力は

\mathbf{f}_{n,m} = \frac{24\epsilon}{\sigma}\left[ 2 \left( \frac{\sigma}{\mathbf{R}_n-\mathbf{R}_m}\right)^{13}-\left( \frac{\sigma}{\mathbf{R}_n-\mathbf{R}_m}\right)^{7}\right]\hat{\mathbf{n}}_{n,m}

となります。2粒子間の距離が短い近い場合には斥力、遠い場合には引力として働きます。 この相互作用は、希ガスなどの無極性原子・分子同士の相互作用のモデルとして知られています。


レナード・ジョーンズ相互作用による運動シミュレーション

2粒子間に働くレナード・ジョーンズ相互作用による運動のシミュレーションです。 下のHTMLスライダーで\sigma\epsilonを指定することができます。

複数の粒子による相互作用のシミュレーション

最安定配置:六方最密充填構造

次のシミュレーションは、粒子位置を上記の初期条件から僅かにずらして、速度に比例するエネルギー減衰効果を加えた結果です。 最終的には六方最密充填構造に落ち着きます。


物理シミュレーションについては「HTML5による物理シミュレーション」を参照ください。 数式の表示は「Tex表記によるHTML文書への式の埋め込み」をご覧ください。



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