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【学会発表要綱】「若手研究者による理科教育プログラムの実践と成果」

文責:林 叔克 (2008年1月23日) カテゴリ:日本物理学会(2008.09)(5)

ポスドク、博士号取得後の若手研究者として、科学の世界で研究し新しい価値を提供すること、そして研究のプロセスそのものを社会に教育的価値として提供することを考え、研究教育活動を行っている。 こうした取り組みを広げるため、NPO 法人 natural science を2007 年6 月に設立し、現在、大学の枠組みを超えた若手研究者、学生が活動している。 今までの学校教育においては、知識の習得が目的とされてきた。理科実験においても実験から考察までが一直線で、実験そのものも知識習得のためという位置づけで行われてきた。 人間が科学することとは? とあらためて考えると「自然現象に対し、問いかけを発し、仮説をたて実験する。 実験結果を考察し、また仮説をたてる」というプロセスが思い浮かぶ。 この科学のプロセスを「理学的アプローチ」とよび教育的価値として提供する。 さらに自然の原理を社会に還元するという「工学的なアプローチ」も取り入れることでさらに自然に対する理解、自然と人間の関係について理解を深められると考えた。このアプローチにおいては、地元企業との連携で企業の技術を用いた教育プログラムの開発を行う。 この「理学的アプローチ」と「工学的アプローチ」の2つの柱をもつ教育プログラムを、現象に興味を喚起される「Event drivenscience」として位置づけ、教育から研究へとなめらかにつながる研究教育プログラムを開発実施した。 宮城県という地域において、教育委員会と連携し、初等中等教育における指導要領にもとづき「理学的アプローチ」をつくり、かつ地元の産業界との連携で、「工学的アプローチ」をつくっている。 この両方のアプローチによって教育プログラムを開発し、各教育機関で実施した。さらに教育から研究へのなめらかなつながりとして、高等教育機関との連携により、研究活動を高校生、大学生を対象に行っている。NPO 法人 natural science が行ったプロジェクトの実施成果を以下に述べる。

ナチュラルサイエンス

. 「自然の教室」宮城県の自然の中で実施(のべ1000 人以上の親子の参加)
. 経済産業省「理科実験教室プロジェクト」地元企業のリソースを用いた理科授業の開発・提供 宮城県の小学校6校で実施
. 文部科学省「理科支援員等配置事業」特別講師として宮城県の小学校2校で実施
. 日産科学振興財団「環境教育助成」宮城県の小学校で実施予定
. 「学会へいこう!」大学高校との連携で実施
. 「n.s. 研究所」理学的工学的研究の実施、サイエンスカフェの実施

コンピュータサイエンス

. 「シミュレーションサイエンス」宮城県の大学、高校にて実施
. 「ロボットサイエンス」宮城県の大学、高校にて実施
. 「マイコンボードサイエンス」宮城県の大学にて実施予定

科学者はいつの時代も、自然に対する興味を歌っているだけでは存在できない。 ポスドク、専門分野に従事する若手研究者の将来といえば、実質的研究成果という意味でも、社会的な立場という側面からも先細りになるという事実がある。 科学者が今の社会の中で、どのように社会に貢献できるか。 各教育プログラムの開発と実施を行う中で、基礎研究を行う科学者が行動をおこすことが、いかに社会のニーズに答えているかを実感した。 またその行動そのものが、一科学者としての素養を広げていくことを感じた。今後さらに研究、教育をより広く、より深くつくっていき、科学と科学者の社会的立場をつくっていく。



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