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工作ヒコウキの実験の解説

文責:八重樫 和之 (2008年7月 2日) カテゴリ:n-1(8)

今回の工作ヒコウキの実験の解説を行います。この実験では風速・風力を測定し、
①主翼の位置を変化させる
②風向きに対してどの方向にヒコウキを飛ばすを決める
③発射角度を決める
の3点を押さえて実験を行い
・どのような飛び方であったか
・飛距離はどれくらい得られたか
を測定する。

謝辞

本実験は風速・風向の測定に関して仙台測器社に、風力風向測定機器の技術連携をいただいております。

①なぜ主翼の位置を変化させるのか?

ヒコウキを遠くへ飛ばすためには、できるだけ機体を水平に保つように工夫する必要があります。回転しない、すなわちヒコウキが飛ぶ際に受ける力をいかに利用するかです。
ポイントとしては、機体の重心とヒコウキの主翼の位置を合わせることです。そうすることでヒコウキは地面に対して傾いても例(c)のように重心周りに回転します。その結果水平の飛ぶことができます。そして翼が地面に対して水平であるほど翼が上向きに空気抵抗を受けより長時間空中にいることができます。つまり、機体を安定させ長時間飛行を行うことができます。以下は翼の位置の例とテスト飛行結果です。

(a)主翼が機体の重心より前方にある場合

(b)主翼が機体の重心より後方にある場合

(c)主翼の位置が機体の重心と一致した場合

補足:水平尾翼の役割

機体が前後にバランスを崩した際、機体を地面と水平な状態へ戻すのが水平尾翼の役割です。下の例のように、もし機体が下向きに傾いたとしても、進行方向と逆向きに生じる風に対して水平尾翼の迎え角が大きくなるので機体を水平に戻します。機体が上向きに傾いたときも同様です。ただし、機体の重心が主翼の中心と一致しない場合は機体は安定しません。

②風向に対して、どの方向にヒコウキを飛ばせば遠くへ行くのか?

今回の実験では風向風速を測定し、飛ばす方向を決めました。より遠くへ飛行機を飛ばすためには、ヒコウキの進行方向と同じ向きに風が吹く「追い風」、進行方向と逆向きに風が吹く「向かい風」の二種類のどちらがいいかを考えます、しかし、ゴムの弾性力を用いた発射台で飛ばしました。このとき、ゴムの弾性力によって生じるヒコウキの初速度は風速よりも大きいので、どの方向へヒコウキを飛ばしてもヒコウキから見ると「向かい風」として考えることができます。したがって、ヒコウキが飛ぶ上で「向かい風」の役割について考えます。

向かい風の役割

ヒコウキの速度よりも追い風が強いとき

※補足:主翼を曲げ揚力を利用した場合

上記の説明で揚力が出てきました。今回の実験では特に揚力は考えずに実験しましたが、主翼を下図のように曲げることで揚力が発生します。

揚力とは?

揚力とは流体(液体や気体)中におかれた翼などの物体にはたらく力のうち、流れの方向に垂直な成分のことです。今回の場合はヒコウキの主翼が空気の流れを受けたとき、上向きに働く力のことです。揚力を受けることでヒコウキはより長時間滞空することができ、結果遠くへ飛ぶことができます。

翼を曲げすぎると・・・

翼を曲げ揚力を受けることでヒコウキをより遠くへ飛ばすことができます。では、翼をできるだけ曲げれば大きな揚力を得れるのでしょうか?答えは間違いです。翼を曲げれば曲げるほど、今度は風によって空気抵抗を受けてしまいます。したがって翼は若干曲げる程度がベストです。どれくらい曲げたらいいかは実験し手確かめるといいでしょう。

③発射角度を決めよう

今回のヒコウキの発射台では発射角度を5°,10°,15°20°25°に設定しました。ここでは、角度をつけるとヒコウキの飛び方にどんな変化があるかを考えます。
ヒコウキに発射角度つけて飛ばしたとしてもヒコウキの重心と主翼の位置が一致していれば、飛行中に機体を地面に水平に保つことができます。
次にヒコウキを上に傾けると向かい風を上向きの力に変換できます。しかし、同時に進行方向と逆向きに風の力を受けてしまうので速度が小さくなってしまいます。風力に応じて発射角度を変えることが必要となります。

地面と水平(0°)に飛ばしたとき

地面とやや上方に飛ばしたとき



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