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【物理シミュレーションに挑戦!】古典力学
空気抵抗力シミュレーション3:ファン・デル・ワールス力モデルによる粘性抵抗係数と慣性抵抗係数の見積もり

文責:遠藤 理平 (2016年10月16日) カテゴリ:仮想物理実験室(277)計算物理学(132)

これまでに導出した計算アルゴリズムを用いて、様々な物理現象のシミュレーションを行っていくことを目的とします。 本シリーズでは日常生活でもお馴染みの空気抵抗力の起源について考えます。
空気抵抗力シミュレーション1:空気抵抗力の定義
空気抵抗力シミュレーション2:剛体球モデルによる粘性抵抗係数と慣性抵抗係数の見積もり
空気抵抗力シミュレーション3:ファン・デル・ワールス力モデルによる粘性抵抗係数と慣性抵抗係数の見積もり

前項では剛体球モデルによる粘性抵抗係数と慣性抵抗係数の見積もりを試みました。その結果、剛体球モデルでは速度の2乗に比例する抵抗力である慣性抵抗力しか表現できないことがわかりました。 本項では粘性抵抗力を表現するために、「様々な力による物理シミュレーション4:レナード・ジョーンズ相互作用による運動」で紹介したファン・デル・ワールス力(レナード・ジョーンズポテンシャルによる相互作用)が働く系を考えます。


空気分子間相互作用「無」の系

初速度が「10」の場合、慣性抵抗係数は剛体球モデルと同様におよそ1.5を取ります。 初速度を「1」とした場合、慣性抵抗係数は剛体球モデルと全く異なり、一定値を取らないことが確認できます。つまり、剛体球モデルでは表現できていなかった粘性抵抗力が表現できていることを意味します。 シミュレーション結果を見ると、速度が遅くなるほど空気分子が纏わりつくような挙動が確認できます。これが粘性抵抗力の起源であると考えられます。


空気分子間相互作用「有」の系

空気分子間の相互作用が存在する場合、空気分子の散逸が抑制されることから、運動する物体が感じる抵抗力が増す結果が得られました。 これは慣性抵抗力と粘性抵抗力が増加した効果と考えられます。先の「無」の場合と合わせて言えることは、粘性抵抗は「引力の存在」が重要な役割を果たしているといえることがわかりました。



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