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琉球大学農学部辻研究室とのディスカッション(4/20)

文責:結城 麻衣 (2009年4月21日) カテゴリ:少数の働きアリによる行動解析とモデル化(16)

トゲオオハリアリと飼育について

室内温度:24~26度
室内湿度:約60%前後
  • ・別に蓋をあけた状態でもワックスさえ塗ってあれば逃げない。
  • ・石膏で湿度を保っている(もともと部屋の湿度が高い)
  • ・金具で蓋をする場合、トゲオオハリアリは顎の力がある為、食いちぎる場合がある。
  • ・週2~3日に一度餌をあげる。
  • ・2~3日は餌がない状態でもさして行動に差は出ない。
  • ・トゲオオハリアリの若いワーカーは、3時間女王との接触がないと卵巣が発達する。卵巣の発達による行動変化の関係性はあるかもしれないが、実際の行動に出ているのかはわからない。

■発表内容

 社会性昆虫の特徴は、複数個体の相互協力によって、1つのコロニーを形成して生活することである。コロニーを維持するためには、餌や個体数など内部状態を知る必要があり、1対1の局所的な情報交換で、コロニーが形成されていく。しかし、局所的な情報交換からどのように社会が形成されていくのかはまだ十分に分かっていない。本研究では、少数個体での情報交換に着目し、1~2匹の働きアリの行動の解析を行った。速度を観察した際、ある時間以降から速度の増減が繰り返し起きていて、その部分を活発と不活発に分けてみてみると、周期的に起きていることがわかった。また、軌跡をみると、半球全体を歩き回っていることを、探索していると考えた時、空間全体の探索が完了することで、活発不活発が起きるのではと考えられる。
yuki090420.jpg

発表中の写真

■質問、意見

・アリはそれぞれ独自のリズムがあるが、複数で実験することで、そのリズムがシンクロすると考えられる。(2匹の結果から)接触することで、シンクロしていくのでは?
→接触によるシンクロは大いに関係していると考えられる。今回の実験結果からは、AとBが交互に起きていることから、逆位相に同調しているように考えられる。しかし、同位相での同調も考えられることから、やはりもっと実験結果を見ていく必要があると思う。
・実験結果に対する総数が少ない。同じコロニーで10回、その結果がほかのコロニーでも見られるか検証するため、さらに10回とやることが必要。
→結果を統計的に見ていくためには、やはり結果の個数を増やす必要があると感じた。
・内役(主に巣の中にいるアリ、若いアリ)と外役(主に巣の外にいるアリ、年をとったアリ)で接触回数や行動の差が出てくるが、実際どっちを使っているのか。
→あまり意識したことがなかった。ほぼ外役のアリを使っていた。内役のアリを使った場合も結果に違いが出るのか見ていきたい。
・女王とワーカーで実験してみるのは?
→違いが出たら面白いと思う。これも実験してみようと思う。
・シンクロについて、お尻をかくとともう一匹がかくといったシンクロはあるのか?
→細かい行動でのシンクロはわからないが、同じ方向を見て並んで休んだりなどはすることがある。
・外役は今の季節だと、日の出日の入り(朝、夕方)が活発に動くが、昼と夜は不活発になる。
・暗い所から明るくなると活発になるが、ずっと明るいところにいると馴れる。



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