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物性物理学入門
フォノン(格子振動)の分散関係(2原子)

文責:遠藤 理平 (2016年10月11日) カテゴリ:仮想物理実験室(273)計算物理学(127)

前項では同じ質量とばね定数で結合された1列の原子に対する分散関係と運動を示しました。 本項では下図のような2種類の質量m_1, m_2とばね定数k_1, k_2で結合された1列の原子に対する分散関係のグラフを示します。

各原子の振動数を表す角振動数\omegaと、生成されるフォノン(格子振動)の波の数を表す波数Kの間には次の関係があります。

\omega_{\pm}^2=\frac{(k_1+k_2)(m_1+m_2) \pm \sqrt{ (k_1+k_2)^2(m_1+m_2)^2-16k_1k_2m_1m_2 \sin^2(\frac{Ka}{2}) } }{ 2m_1m_2}

\omega_{\pm}^2は2種類の原子の振動に関する方程式から得られ、1原子の場合と異なり2次方程式の解として2つ存在します。 つまり、一つの波数Kに対して、2つの角振動数\omega_{\pm}が存在することを意味します。この分散関係のグラフは次のとおりです。質量とばね定数を設定することができます。

2種類原子のフォノン分散関係

青色が\omega_{-}(K)、黄土色が\omega_{+}(K)に対応し、それぞれ音響モード光学モードと名前がついています。 2つのモードによる振動の違いを次に示します。なお、角振動数の最大値は

\omega_\max=\sqrt{\frac{ (k_1 + k_2 ) ( m_1 + m_2 )}{ 2m_1m_2 }}

です。

フォノンのスナップショット

下図は2種類の原子を間隔1(格子定数2)で並べて変位を上下で表した図です。波数K = 0.1\pi/a (波長\lambda = 20 )に対する光学モード(上段)と音響モード(下段)の表しています。

生成されるフォノンの波長は同じですが、2種類の原子配置が全く異なり、先述のとおり角振動数も異なります。 2つのモードの運動アニメーションは現在開発中です。近日中に公開します。


物理シミュレーションについては「HTML5による物理シミュレーション」を参照ください。 数式の表示は「Tex表記によるHTML文書への式の埋め込み」をご覧ください。



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