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【物理シミュレーションに挑戦!】量子力学
量子力学のための波動論4:ガウシアンパルスの時間発展の解析解

文責:遠藤 理平 (2016年11月 2日) カテゴリ:仮想物理実験室(268)計算物理学(127)

本シリーズは量子力学を理解するために必要な波動論を復習することを目的とします。
量子力学のための波動論1:平面波の時間発展
量子力学のための波動論2:平面波の重ね合わせによる波束の生成
量子力学のための波動論3:ガウシアンパルスの時間発展
量子力学のための波動論4:ガウシアンパルスの時間発展の解析解

量子力学のための波動論3:ガウシアンパルスの時間発展」ではガウス型波数分布関数で生成したガウシアンパルスの時間発展を計算しました。本項ではその解析解を導出します。時間発展の計算に必要な分散関係を

\omega(k) = \alpha |k| + \beta k^2

と表します。「量子力学のための波動論3:ガウシアンパルスの時間発展」の分散関係を代入して整理すると次のようになります。

\psi(x,t)= \frac{1}{ \sqrt{2\sigma \pi L}}  \exp\left[ -\frac{ k_0^2 }{4\sigma^2} \right]  \int\limits_{-\infty}^{\infty}\!\! dk\, \exp\left[-\left(\frac{ 1 }{4\sigma^2} +i\beta t \right)k^2+\left(\frac{ k_0 }{2\sigma^2} +i(x-x_0)-i\alpha t\right)k \right]

kに関する積分を実行すると実空間における波動関数が得られます。

\psi(x,t)= \frac{1}{ \sqrt{ L}}  \exp\left[ -\frac{ k_0^2 }{4\sigma^2} \right]  \frac{\sqrt{2\sigma}}{\sqrt{1+i4\sigma^2\beta t}}\exp\left[ -\frac{ \sigma^2 }{1+i4\sigma^2\beta t}(x-x_0-\alpha t-i\frac{k_0}{2\sigma^2})^2 \right]

ガウスパルスのピーク位置やパルス幅を見積るために絶対値の2乗を計算します。

|\psi(x,t)|^2=\frac{2\sigma}{L\sqrt{1+16\sigma^4\beta^2 t^2}} \exp\left[ -\frac{ 2\sigma^2 }{1+16\sigma^4\beta^2 t^2}(x-x_0-\alpha t-2\beta k_0 t)^2 \right]

この表式からガウシアンパルスのピーク位置、ピークの高さ、パルスの幅を見積ることができます。ピーク位置は指数関数が0となる条件から、ピークの高さは係数から、パルス幅はピークの e^{-1} の高さのところの幅と定義することで、それぞれ次のように得られます。

x_{\rm peak}(t) =x_0+(\alpha +2\beta k_0) t
h_{\rm peak}(t) =\frac{|\psi(x,t)|^2}{|\psi(x,0)|^2}=\frac{1}{\sqrt{1+16\sigma^4\beta^2 t^2}}\simeq \frac{1}{4\sigma^2\beta t}
w(t) =1+16\sigma^4\beta^2 t^2

ガウシアンパルスの運動速度は\alpha2\beta k_0 にそれぞれ比例することがわかりました。


参考図書

3次元グラフィックス関連

three.jsによるHTML5グラフィックス上 【改定版】
three.jsによるHTML5グラフィックス上 【改定版】
three.jsによるHTML5 3Dグラフィックス 【新機能と応用】

物理シミュレーション関連

HTML5による物理シミュレーション
HTML5による物理シミュレーション【拡散・波動編】
HTML5による物理シミュレーション 【剛体編】」
HTML5による物理シミュレーション 【剛体編2】



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