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第1回 natural science シンポジウム(2008.07.13)
見える光・見えない光のダブルで発電しよう!

文責:大草 芳江 (2008年12月 2日) カテゴリ:第1回 natural science シンポジウム (2008.07.13)(28)
((株)ミウラセンサー研究所、ソートR&D(株)、ジーイーエス(株)、JAXA 宇宙航空研究開発機構 先端技術センター)

 宇宙から地球上へ無尽蔵に降り注ぐ太陽光には、人間の目に見える光から目に見えない光まで、様々な波長の光が含まれている。人間はこれまで、目に見える光の中でものづくりを行ってきた。けれども太陽が発する光は、目に見えない光の方が、実は圧倒的に多い。

 地球温暖化問題がクローズアップされるとともに、燃料が不要で、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないエネルギーへの関心が高まっている。そんな中、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、宇宙のエネルギー源として太陽光に着目。太陽は、紫外線から赤外線まで、様々な波長の光を発しているが、一般的に太陽光発電に利用されるのは、目に見える光である可視光線のみ。そこでJAXAでは、太陽光をより効率的に利用するため、可視光線に加え、一般的なソーラーシステムでは役に立たなかった赤外線も利用する発電システムの研究開発を進めてきた。レンズで集めた太陽光線を、可視光線は反射し赤外線は透過する特殊な鏡を使って、可視光と赤外線を分離。分離した可視光線は太陽電池に、赤外線は熱電変換素子に供給され、それぞれ発電を行う。その結果、従来の太陽光発電に比べ約2倍の発電が可能となった。このJAXAの実験モデルを、教材にできないだろうか。ミウラセンサー研究所では、JAXAの試作機をよりシンプルに改造し「太陽光熱複合発電システム模型 ソーラーハイブリッド」2号機を製造。 さらなるローコスト化・簡易化を目指し、3号機案を製造した。

 「CAFE natural science」では、その開発プロセスを体感できるよう、ソーラーハイブリッドの1号機から3号機を並べて展示。装置はブラックボックスではなく、中身を見て触れられるようになっている。来場者からは、「見えない光では発電できないと思っていた」、「赤外線もムダにしない発電、素晴らしいです」、「今後のエネルギー問題の解決策として良い」などの声があがった。

開発秘話・「試行錯誤とは・・・」

 「あれもこれもと要求を入れるのではなく、目的を絞れば、本当に欲しい機能が見えてくるのです」と話すのは、ミウラセンサー研究所の三浦賀一社長。ソーラーハイブリッド3号機では、使いやすさ・機能性・ローコストの3点を重視し、無駄な要素を削ってきた。目的を絞っているからこそ、改良すべき方向性が見えてくる。

 開発者が「使い勝手の良さ」を追求した結果、多機能化・複雑化し、本来の「使い勝手の良さ」と逆行するケースも少なくはない。つい、「これもあった方が、良いかも」と機能を追加したくなることはないのだろうか。「最初からユーザに合わせたものをつくろうとするのではなく、ユーザに使い心地を判断してもらう気持ちで開発していています」と開発のスタンスについて語る三浦さん。何でもはじめは、自己主張の固まり。それがまわりに判断されることで徐々に洗練されていくのだと語る。「1回でうまくいくことなんて、ないでしょう。たとえ使いやすさ・機能性・ローコストを実現したとしても、売れるかどうかはまた別問題。試行錯誤とは、そういうことなのです」

 『光』に関する研究シリーズの応用に取り組むミウラセンサー研究所。今後も、光の持つ可能性をわたしたちに教えてくれるだろう。

出展者の声

1.出展ブースのコンセプトとねらい

 ソーラーハイブリッドの子どもたちの反応、エネルギーの有効利用に関する関心度、JAXAの認知度

2.出展を終えての感想など

 びっくりしたのは宮城県角田に宇宙航空センターがあってH2ロケットの研究をしていることを知っている方がほとんどいなかった。子どもたちの物を見る眼差しは純粋である。触れるものいじれるものを用意し、そう簡単には手に入らない夢を大人たちは子どもたちにあげなければならない。

3.natural science に対するご意見・要望など

 今40代50代が元気が悪く、20代60代が元気がいい!まさしく目標を持っている20代の人に多く会えました。継続は力なりです。今後も活動頑張ってください。



Contents 第1回 natural science シンポジウム

第Ⅰ部(報告)

第Ⅱ部(意図)

第Ⅲ部(研究報告)

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