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「physics.js」による仮想物理実験室
クーロン力によるポテンシャルエネルギーの3次元表示モード~ラザフォード散乱実験シミュレーション~

文責:遠藤 理平 (2017年4月 6日) カテゴリ:仮想物理実験室(277)
はじめに

 本項物理シミュレーション環境構築用HTML5フレームワーク「physics.js」を用いて物理シミュレーションを行うための手順をチュートリアル形式で紹介する記事です。 最新版「physics.js」(リビジョン14、2017年04月05日現在)をここからダウンロードしてください。以下はチュートリアルの目次です。

小技
3次元オブジェクト


クーロン力によるポテンシャルエネルギー

クーロン力で点電荷を運動させよう!~クーロン相互作用の与え方~」では、 クーロン力による荷電粒子の運動のシミュレーション方法を解説しました。クーロン力も万有引力と同様にポテンシャルエネルギーを定義することができ、z軸成分をポテンシャルエネルギーの大きさとして表現することができます。
図1は中心に配置した質量の大きな正電荷の荷電粒子に向かって質量の小さな電荷粒子を照射したシミュレーション結果です。 照射する荷電粒子の電荷量、質量、初速度によって軌道の曲がり方が異なり、軌道の様子から中心電荷量を見積もることができます。 これはラザフォード散乱実験と呼ばれます。

(図1)中心の荷電粒子によるポテンシャルエネルギー(GIFアニメーション

クーロン相互作用による荷電粒子の運動
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ポテンシャルエネルギーの可視化

ポテンシャルエネルギーを表す格子オブジェクトはpotential3DModeプロパティの各プロパティにパラメータ与えることで生成することができます。 enabledプロパティにtrueを与えると、3次元オブジェクトのz値はポテンシャルエネルギーの値となります。 noGraphicsプロパティにtrueを与えると、可視化のためのポテンシャルエネルギーを表す格子オブジェクトは生成しません。 visibleプロパティは格子オブジェクトの表示の有無を指定します。 potentialFunctionプロパティはxy平面上におけるポテンシャルエネルギーの大きさ(z値)を与える関数を指定します。3次元オブジェクトのz値もこの値になります。 positionFunctionプロパティは格子オブジェクトの位置を与える関数を指定します。 colorFunctionプロパティは格子の頂点色を与える関数を指定します。
次のプログラムソースは、図1のラザフォード散乱実験シミュレーションを行うための1個の中心荷電粒子と80個の照射する荷電粒子に対してpotential3DModeプロパティを与えています。

【プログラムソース1】ポテンシャルエネルギーの可視化例(RutherfordScattering.html)
//粒子数
var N = 80;
for( var i=0; i<N+1; i++  ){

	PHYSICS.physLab.balls[ i ] = new PHYSICS.Sphere({
		(省略)
		//ポテンシャルエネルギー表示モード
		potential3DMode : {
			enabled : (i!=0)? true : false,    //中心の荷電粒子のみ利用無し
			noGraphics : (i==1)? false : true, //1番目の粒子以外はグラフ表示無し
			visible : true,
			//ポテンシャルの関数形
			potentialFunction : function( x, y, parameter ){
				var max = 20;
				var core = PHYSICS.physLab.balls[ 0 ];
				var R2 = PHYSICS.Math.getLengthSq( core.position, {x:x, y:y, z:0} );
				var U = ( R2 != 0 )? 15/Math.sqrt( R2 ) : 15/Math.sqrt( 0.001 );
				return (Math.abs(U)<max)? U : max*U/Math.abs(U);
			},
			//ポテンシャル表示位置
			positionFunction : function( ){
				var core = PHYSICS.physLab.balls[ 0 ];
				return { x:core.position.x, y:core.position.y, z:core.position.z-2 };
			},
			//ポテンシャルの頂点色
			colorFunction : function( x, y, z, parameter ){
				var core = PHYSICS.physLab.balls[ 0 ];
				var R2 = PHYSICS.Math.getLengthSq( core.position, {x:x, y:y, z:0} );
				var w = +1.0/Math.sqrt(R2);
				var R = 1;
				var G = 1 - w;
				var B = 1 - w;
				return { r: R, g: G, b: B };
			},
			n : 100,    //一辺あたりの格子数
			width :0.4, //格子の一辺の長さ
			color: 0xFFFFFF,
			opacity: 0.5 //透明度
		},
	(省略)
	});
}


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