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一様媒質中における一般解と具体例
【1-4】2軸ガウシアンによる光パルスと電子パルス

文責:遠藤 理平 (2011年10月25日) カテゴリ:計算物理学(165)

前節「【1-3】1軸ガウシアンによる光パルスと電子パルス」では3種のパルスと2種のビームの定義を行い、その内1軸ガウシアンによる光パルスと電子パルスの時間発展をアニメーション化しました。本節では、2軸ガウシアンによる光パルスと電子パルスについて考えます。

2軸ガウシアンによるパルスの表式

係数の与え方

「2軸ガウシアンによるパルス」は、前節「【1-3】1軸ガウシアンによる光パルスと電子パルス」で定義したとおり、波の進行方向と垂直方向の2軸に対して空間的に振幅がガウス分布する形状とします。


2軸ガウシアンによるパルスの定義:波の進行方向と垂直方向の2軸に対して空間的にガウス分布するパルス

このような形状の光パルスと電子パルスは、式(1-3-1)の係数を

(1-4-1)

とすることで実現することができます。 光パルスの表式は式(1)を式(1-3-1)に代入し、 波数ベクトルの3成分(k_||, k_⊥, k_y)の積分を計算することで得られます。

(1-4-2)

デルタ関数により k_y = 0 となります。これは2軸ガウシアンによるパルスはy軸方向には一様であることを意味します。 ただし、ωは式(1-3-2)で与えられた分散関係で決まるため、波数ベクトル k

(1-4-3)

で決まります。 電子パルスも同様に表すことでき、

(1-4-4)

となります。

ガウシアンの幅

式(2)と(4)のσが前節同様、波数ベクトル k に関する波数空間におけるガウス分布の幅を決めるパラメータとなります。 σの次元は波数ベクトル同様 [rad/m]です。 前節のガウシアンはパルスの進行方向の1軸だったのに対して、本節はパルスの進行方向とその垂直方向の2軸となり、次のように与得ることにします。

ただし、k_0 は

です。

光および電子による2軸パルスの時間発展

σや k_0 に適切なパラメータを設定することで 入射角度θ = 0°~ 80°の値で計算した結果を示します。

光による2軸パルスの時間発展

図のx-y軸のスケールは ×10^{-8}[m] で、時間間隔は 10^{-6}/c ≒ 3.3×10^{-15}[s]。

θ=0° θ=20° θ=40° θ=60° θ=80°


電子による2軸パルスの時間発展

図のx-y軸のスケールは ×10^{-11}[m] で、時間間隔は 2×10^{-15}[s]。

θ=0° θ=20° θ=40° θ=60° θ=80°

電子の波動関数の絶対値

図のx-y軸のスケールは ×10^{-11}[m] です。

θ=0° θ=20° θ=40° θ=60° θ=80°

プログラムソース

C++プログラムソースのとおりです。

C++

■光の2軸パルスMaxwell_pulse2.cpp
■電子の2軸パルスSchrodinger_pulse2.cpp

VisualC++のプロジェクトファイル

■光の2軸パルスMaxwell_pulse2.zip
■電子の2軸パルスSchrodinger_pulse2.zip

gnuplot テンプレート

2D.plt
2D-1.plt
2D-2.plt


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