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VisualC++ と OpenGL を利用した仮想物理実験室
【1-2-1】等加速度直線運動のアルゴリズムの導出

文責:遠藤 理平 (2010年1月 2日) カテゴリ:仮想物理実験室(325)

【1-1-1】物理量について」では、物理量「時刻 t[s]」の変化分と「位置 r[m]」の変化分の比から、新しい物理量「速度v[m/s]」を定義しました。次は、「時刻 t[s]」と「速度v[m/s]」を組み合わせて得られる物理量を定義します。

時刻 t_0 で速度 v_0 の球が、時刻 t_1 に速度 v_1 で運動している場合を想定します(下図)。

もし球が、t_0 から t_1 まで、等加速度(同じ加速度)で運動しているとすると、次の関係式が成り立ちます。

左辺の「加速度」は、「時刻」と「速度」の2つの物理量を組み合わせて定義される新しい物理量です。

物理量3「加速度」(1次元)

上記では等加速度と仮定していますが、等加速度でない場合は、平均の加速度という物理量になります。次の図は、「時刻 t[s]」と「速度 v[m/s]」の関係をt-vグラフ(横軸t、縦軸v)で表したものです。

t-vグラフで表すと「加速度」は傾きで表されます。 つまり加速度 a[m/s^2] は次の関係式で表すことができます。

この関係式は、「時刻 t_0 のときの速度 v_0 と 時刻 t_1 のときの速度 v_1 が与えられれば、加速度 a[m/s^2] が得られる」ことを意味しています。Δt は、時刻 t_0 と t_1 との時間間隔(時間の変化分)を表しています。また、関係式を移項することで、次の関係式が得られます。

この関係式は「時刻 t_0 のときの位置 v_0 と 加速度 a が与えられていれば、Δt 秒後の位置 v_1 が得られる」を意味します。 「【2日目】等速度直線運動」における、「時刻」「位置」「速度」の関係と同様、式変形により物理的な意味が変わります。

上式は、速度 v_0 と v_1 との関係式ですが、任意の時刻 t、すなわち速度 v_n と v_{n-1} との関係でも成り立ちます。

つまり「時刻 t_{n-1} のときの速度 v_{n-1} と 加速度 a が与えられていれば、Δt 秒後の速度 v_n が得られる」ことを意味します。更にこれを発展させて、加速度 a[m/s^2] が一定値のまま(等加速度)であるならば、任意の時刻 t_n での速度 v_n は、v_0 からスタートして、v_1, v_2 ... v_nと逐次計算することで求めることができます。

このようにして、v_0, v_1, v_2, ... と逐次計算した結果と「【1-1-2】等速度直線運動のアルゴリズムの導出」の関係式を用いて、球の位置 x[m] を決定します。

上記関係式で計算される球の位置を連続的に描画することで、等加速度直線運動のアニメーションが得られるのです。

3次元の場合も同様に、加速度 a[m/s^2] は加速度ベクトルという物理量で定義することができます。

物理量3「加速度」(3次元):加速度ベクトル

3次元の場合は、x 成分の他にy成分とz成分 がそれぞれ同様に成り立ちます。

v」 は【1-1-1】物理量についてで登場した速度ベクトルです。

VisualC++ と OpenGL を利用した仮想物理実験室

第0章 仮想物理実験室の構築

第1章 様々な運動

第2章 ニュートンの運動方程式

第3章 剛体の運動(エネルギー保存則と運動量保存則)

付録

  • 【A-1】参考文献
    ・(A-1-1)OpenGL について
    ・(A-1-2)VisualC++ について
    ・(A-1-3)物理シミュレーション
    ・(A-1-4)数値計算

未分類

力学

量子力学

波動論



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